ニュージーランド英語の発音 (3)
Last update December 29, 2024
基本的な特徴
音節語尾の母音の後の「
r
」は発音しない (
non-rhotic)
ニュージーランド英語は、一般的には、イギリス英語やオーストラリア英語と同じく、「
r
」のスペルを発音しない
non-rhotic
(ノン・ロウティック)
で、
「
linking R
(つなぎの
R
)」
や
「
intrusive R
(侵入の
R
)」
といった現象が起こります。しかしながら、スコットランド英語の影響の強いサウスランド(
Southland
)では
rhotic
の発音が使われています。また、
non-rhotic
の話者であっても、
Ireland、merely、err
、アルファベットの
R
など、母音の前に来ない「
r
」を発音する話者もみられます。
母音間歯茎はじき音
アメリカ英語やオーストラリア英語の発音のように、母音に挟まれた強勢のない音節の
/d/
や
/t/
が「ら行」に近い音になるという
母音間歯茎はじき音化 (
Intervocalic alveolar flapping
)
がみられます。
/j/
の合体
オーストラリア英語と同様に、
/tj/
や
/dj/
の子音が口蓋化することで、2つの子音が
/ʧ/
や
/ʤ/
に合体する
/j/
の合体 (
Yod-coalescence
)
という現象がみられます。
/j/
の脱落
また、オーストラリア英語と同様に、
/j/
が落ちる
/j/
の脱落 (
Yod-dropping
)
の傾向もみられます。
「
l
」の母音化
語尾にくる
/l/
の音が母音化し、
/w/、/o/、/ʊ/
などに近い音で発音される
「
l
」の母音化 (
L-vocalization
)
がみられます。
暗い
/l/
の発音
イギリス英語が明るい
/l/
と暗い
/l/
を使い分けるのに対して、ニュージーランド英語ではすべての
/l/
が暗い
/l/
で発音されます。これら2種類の発音については、
明るい
/l/
と暗い
/l/
(
Light /l/ and dark /l/)
をご覧ください。
happy
の語尾音の強調
オーストラリア英語にもみられますが、ニュージーランド英語でも、
happy
の語尾のようなゆるい
/ɪ/
の音が強調され
/i/
の音で発音される
happy
の語尾音の強調 (
Happy-tensing
)
がみられます。