アメリカ英語の特徴 (2)

     


Last update December 26, 2024

 スペルが違う

19世紀の学者ノア・ウェブスター(Noah Webster)によりイギリス英語のスペルの改革が行われ、現在のアメリカ英語になっています。これにより、colourcolor になるなど(日本人にとっては color のほうがなじみがありますが)、イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いが出てきました(両者のスペルの違いについては、姉妹サイト『英語用語集―英語と米語のスペル比較』を参照)。

しかしながら、アメリカ英語とイギリス英語のスペルの違いを認識している人はあまりいません。日本でもそうです。私も企業向けの英文ライティングの仕事をしていますが、全世界に向けて「イギリス式スペル」を使うという日本企業にも出会ったことがありません。ヨーロッパの現地子会社のほうがアメリカ地域よりも多く、業績的にも優勢であっても、そこに向けて発信されるメッセージはなぜかアメリカ英語なのです。

 俗に言う「アメリカニズム」

イギリス人などからよく批判されるのがアメリカ英語ですが、そういうアメリカ英語の特徴は「アメリカニズム」と呼ばれることが多いようです。いくつか例を挙げてみましょう。

 名詞もそのまま動詞に早変わり

He authored this book. author: [名詞]著者、著作物
He gifted her some flowers. gift: [名詞]贈物
This is a verbed noun. verb: [名詞]動詞

 de- をつけて反対語もカンタンに生成

We deplaned at the airport. 接頭辞 de- + plane 「飛行機」
We should deescalate the situation. 接頭辞 de- + escalate 「エスカレートする」

 -ize をつけてカンタン動詞生成

The list is alphabetized. alphabet 「アルファベット」+ 接尾辞 -ize
Spice can appetize meal. appetite 「食欲」(- -te) + 接尾辞 -ize

 ちょっとヘンな最上級?

This is the least worst thing to happen. leastworst はどちらもネガティブな内容を表す最上級
This is the most best thing to do. most と best はどちらも肯定的な内容を表す最上級
He is the winningest athlete. しいて言えば most winning??

 省略しすぎ?
An advertising agency or ad agency or advert agency... advertadvertising のイギリス式略語だったが、今ではアメリカ式 ad のほうが使われる。
The store is open 24/7. 分数ではなく 24 hours, 7 days のこと
His BO is offensive. BO = body odor 「体臭」

まあ、なかにはどうかと思うものもありますが、個人的には、けっこう便利なものもあります。