悩ましい Oxford comma (3)

       


Last update January 12, 2025

 Oxford comma と生ずる誤解について (2)

 「ベーコンエッグとトースト」か「ベーコンとエッグトースト」か?

次の例を見てみましょう(これもよく引き合いに出される例です)。

  • We had coffee, bacon and eggs and toast. (13)

これは、Oxford comma の入っていない状態ですが、「ベーコンエッグ」なのか「エッグトースト」なのか、あいまいですね。お腹に入ってしまえば同じなんですが、やはりここはきちっと表現したいもので、そんなときに役に立つのが Oxford comma です。

  • We had coffee, bacon and eggs, and toast. (14)
  • We had coffee, bacon, and eggs and toast. (15)

つまり、(14) では「ベーコンエッグとトースト」となり、(15) では「ベーコンとエッグトースト」になるわけです。

また、baconeggstoast をすべて単品料理として食べたと言う場合は、やはり Oxford comma を使って

  • We had coffee, bacon, eggs, and toast. (16)

ということになりますね。

ここでも、Oxford comma を使う・使わないにかかわらず、誤解のないような表現を考えてみましょう。

  • We had coffee, toast(,) and (baked) bacon with eggs. (17)
  • We had coffee, bacon(,) and toast with eggs. (18)
  • We had coffee, toast, bacon(,) and some eggs. (19)

といった言い方ができます。

(17) では、toast という要素を先に持って来ることで孤立させ、baconeggs を隣接させ関連付けようとする意図が働いています。and の代わりに前置詞 with を使って結びつきを強めています。(18) では、bacon を孤立させ、eggstoast を関連づけるようにしています。

(19) は、eggs の前に some をつけることで、どの要素も関連し合わないようにし、それぞれ単独の一品として食べたという印象を与えています。