However vs But ―その違いとは? (1)

       


Last update December 17, 2024

HoweverBut は同じか?

私もかつては、「しかし、でも」というときが But で、「しかしながら」とかしこまって言うときが However などという感覚でとらえていました(さして気に留めなかった)。しかし、英文ライティングの仕事をするようになって、私の書いた文章をネイティブのライターがプルーフリードする際に、ButHowever に変えてくるのです。

最初は(あまり気にしない性格なので)、単にこのネイティブの好みだろうと思っていたのですが、何度も続くとさすがに気になってきました。しかも、However の前にセミコロン(;)が付いてきたりするので、これはなんかあるなと思って調べてみました。

で、その結果、HoweverBut は決して全く同じではないということがわかりました。もちろん、意味的には似た言葉であるわけで、普通はそこまで気にしなくてもいいのかもしれません。しかし、そのニュアンスや用法は異なり、場合によっては、その受け取られ方は全く違うという意見もあります。やはり、プロの英語をめざすのであれば、そこは外せませんね。

HoweverBut は違う

ということで、その違いをまとめると、次のようになります。

-- However But
例文  Your product is excellent; however, it may be a little expensive for us.

 Your product is excellent. For us, however, it may be a little expensive.
 Your product is excellent, but it is too expensive.
品詞 副詞 接続詞
用法  直前の節を修飾する→関連性を持たせてつながりを表現
 直前の節を肯定しながら異なる内容を述べる
 直前の節の余韻を残しながら、次の節に移る
 直前の節の内容と続く節の内容の心理的ギャップ、インパクトなどが弱い
 続く節の内容がソフトランディングする
 節、句、語をつなぐ→並列的、物理的につながりを表現
 直前の節を否定する、あるいは関与しない
 直前の節の余韻は残さず、いきなり次の節に移る
 直前の節の内容と続く節の内容の心理的ギャップ、インパクトなどが強い
 続く節の内容がハードランディングする

However は「副詞」、But は「接続詞」

まず、大きな違いとして「品詞の違い」というものがあります。

つまり、「しかし、しかしながら」という意味に限って言えば、However は「副詞」、But は「接続詞」というわけです。日本語の「しかし」が接続詞だからということで、つい、どちらも接続詞だと思ってしまいがちですが、実は違うわけです。

では、英語の「副詞」 (adverb) はどういうものかと言いますと、これは、動詞や形容詞、節(主語および動詞を含む単語のグループ)、文章など、名詞以外の文章のパーツを修飾する働きがあります。それに対して、「接続詞」 (conjunction) というのは、ただ単純に前後のものをつなぐだけの役割をします。

よって、どちらも前後の内容をつないでいるように見えるのですが、However は修飾し But は接続するということなのです。じゃあ、However は修飾語なので、前の節と後の節がつながっていないのか?と言うと、そんなことはなく、やはり、微妙につながっているわけなのです。

もう一つの違いは、いっしょに使う「句読点」が違うということですね。

上の例文を見てもわかりますが、But の場合はただ単に並列的につなぐので、その前にはコンマ(,)を使って表現します。ところが、However のほうは、前の節を修飾して関連性でつなぐので、次の節の頭に来る場合は、s最初の例文のように、コンマではなく、コンマよりもやや離れた感じのする「セミコロン」(;)を使うのが普通です。また、2番目の例文のように、However が挿入される場合は、前後のコンマで表現します。