イギリス英語とアメリカ英語の影響
カナダは英連邦王国(Commonwealth realm)ですが、北アメリカにあり、地理的にはアメリカと近いことから、宗主国であるイギリス英語とアメリカ英語の両方の影響が認められます。
たとえば、水道の「蛇口」を表す単語ですが、アメリカでは faucet を使うのに対して、カナダではイギリスと同じ tap を使う傾向があります。
また、アルファベットの「Z」もアメリカ英語のように /zíː/ ではなく、イギリス式に /zéd/ と発音します。また、schedule の発音も、アメリカ英語のように /skédʒuːl/ ではなく、/ʃédjuːl/ となりイギリス英語の発音に近くなります。その他、スペルの「r」はすべて発音する、母音間の歯茎はじき音、緊張した /æ/ の発音をはじめ、一部のスペルにもアメリカ英語との共通点が見られます。(発音の詳細については、カナダ英語の発音を参照してください。)
カナディアン・レイジング (Canadian Raising)
無声音である子音の前に来る /aɪ/、/aʊ/ の二重母音がそれぞれ、/ʌɪ/ や /ɜɪ/、 /ʌʊ/、/ɛʊ/、もしくは /oʊ/ のように発音される「カナディアン・レイジング」という特徴があります。
カナダ英語のスペル
カナダ英語のスペルについても、イギリス英語とアメリカ英語両方の特徴がみられます。
フランス語源の単語はイギリス式
フランス語を語源とする単語については、イギリス式のスペルを使用します。
例)colour, centre, catalogue
フランス語源の単語はイギリス式
フランス語を語源とする単語については、イギリス式のスペルを使用します。
例)colour, centre, catalogue
defence、offence はイギリス式
「防御(する)」、「攻撃(する)」などの単語については、イギリス式のスペルを使用します(アメリカ英語では defense、 offense)
例)defence, offence
自動車関係の単語のスペルはアメリカ式
自動車関連の単語については、アメリカ式のスペルを使用し、語彙もアメリカの語彙を使う傾向があります。ちなみに、curb(「歩道の縁」)という単語はイギリス英語では kerb、tire は tyre になります。
例)curb, tire
-ize の語尾はアメリカ式
realize (「実現する」)、commercialize (「商業化する」)など「~化する」という意味の動詞はアメリカ式スペルを使う傾向があります。
例)realize, commercialize
接尾辞がつく場合はイギリス式
最後の音節に強勢がない単語に -er、-ed、-ing、-able などの接尾辞がつく場合、直前の子音を重ねるイギリス式スペルを使用します。
例)traveller, counselling, controllable
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